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もうだめぽニュース

P2Pファイル共有に関連した国内検挙事例、裁判を振り返ります。

2008年

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2008年11月: LimeWireで児童ポルノ共有、男性1名を逮捕

LimeWire2008年11月25日、LimeWireを利用し、児童ポルノ動画をネット(Gnutellaネットワーク)上に公開したとして、北海道の飲食業男性(24)が、児童買春・ポルノ禁止法違反の容疑で、長野県警に逮捕された。男性は、同年6月中旬、8〜9歳と見られる少女の裸が写った動画をLimeWireを利用し、他の利用者からアクセスできる状態にしていた。

LimeWireを利用した児ポコンテンツ共有による逮捕者は、国内では初となった(海外ではそうしたLimeWireユーザの逮捕はさほど珍しいものではなかったが)。

参考記事

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2008年11月: eMuleで児童ポルノ共有、男性3名を逮捕

emule2008年11月12日、eMuleを利用し、他の利用者に児童ポルノ動画を提供する目的で所持していたとして、和歌山県の団体職員男性(27)、広島県の会社員男性A(37)、東京都の会社員男性(36)が、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供目的所持)の容疑で、埼玉県警に逮捕された。

県警によると、3人は同年9〜10月に、18歳未満の少女がわいせつな行為を受けている動画をeMuleの共有フォルダにおいた状態で、ネットワーク(ed2kなのかkadなのかは不明)に接続していたという。

彼らが共有していたファイルは、いずれも自身が撮影したものではなく、eMule以外にもWinnyやShareなどを利用し、インターネット上で収集されたものであった。eMuleを利用して児童ポルノ動画を交換していた理由として、「eMuleが最もレア(珍しい)なファイルを手に入れやすかった」(YOMIURI ONLINE)ためであったという。

この摘発は、同月ブラジルで開催された第3回「児童の性的搾取に反対する世界会議」を直前に控え、世界74カ国が連携して児童ポルノ撲滅に向けた国際的オペレーションの一環であったと見られる。日本での摘発に先んじて、ブラジルスペインでも、eMuleやKazaaを利用した児童ポルノ共有者の一斉摘発が行われていた。そうした捜査を進めていた海外の機関(おそらくはインターポール)から、日本のeMuleユーザが児ポ動画を共有しているとの情報を受け、埼玉県警が捜査を開始した。

なお、eMuleを利用した犯罪の逮捕事例は、これが初となる。

P2Pファイル共有ネットワーク上での児童ポルノ共有に対する摘発は、2002年7月のWinMXユーザの逮捕以降、久々のものとなったが、この事件を境に、頻繁に摘発がすすめられるようになった。

参考リンク

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2008年9月: Winnyで国内公開前の映画をリリースした男性、逮捕

winny_logoShareで初となる逮捕者を出してから4ヶ月、ついにShareでも…という興奮が冷めたのか余韻程度には残っていたのかはわからないが、相変わらずせっせとファイル共有にいそしんでいたダウソ板に再び動揺が走った。

2008年9月18日、Winnyを利用し、国内未公開の米Universal City Studiosの映画『ウォンテッド』などを無断でアップロードできる状態にしたとして、宮城県の無職男性(33)が著作権法違反(公衆送信権侵害)の容疑で、京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室と城陽署に逮捕された。この男性は、単に映画をリリースしていただけではなく、自ら映画に字幕を加え、リリースする字幕職人であった。

この事件は、海外での公開時期と、日本での公開時期とのズレを背景としている。日本での劇場公開を前に、海外の劇場で盗撮されたものや、既に海外でDVDとしてリリースされたものがインターネット上に流通することは珍しくなく、そうしたデータを入手し、独自に字幕をつけるという活動はファイル共有界隈では古くから行われていた。そうした活動を行う人物は字幕職人と呼ばれ、この無職男性もその一人であった。それも、非常に人気の高い字幕職人『tikal』として、よく知られた存在でもあった。

逮捕当時から、過去2年間にさかのぼって、彼が作成した字幕を元にリリースされた映画は26本に上るとされており、多くの作品が劇場公開前にリリースされていた。

同年12月、京都地裁は男性に対し、懲役2年、執行猶予3年(求刑2年)の有罪判決を言い渡した。

映画の違法共有による逮捕者は、2003年11月、Winnyでの初の逮捕に続く2例目、また、字幕職人としては初の例となった。

参考記事

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2008年11月: Shareでテレビドラマを無断配信、男性1名逮捕

share2008年11月27日、Sharewo利用し、フジテレビのドラマ「太陽と海の教室」をを無断でアップロードできる状態にしたとして、千葉県の建築作業員男性(47)が、著作権法違反(公衆送信権侵害)の容疑で、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターと築地署に逮捕された。男性は、同年8月25日、放送直後の同番組をShareネットワークにリリースしていた。

彼は律儀にも、放流前にその予定を2ちゃんねるにて告知していたという。

警視庁の調べによると、男性が無断配信していたと見られるテレビドラマは、民放各局、NHKなど地上波デジタル放送で放映された51番組128話222ファイルにも及ぶという。その動機については、以下のように供述していた。

「数年前からファイル共有ソフトで動画を収集して楽しんでいた。もらうばかりで申し訳ないので、自分も協力したいと思った」などと動機を供述。今年5月、シェアを使ってアニメを無断で配信した男が京都府警に逮捕され、違法な配信が少なくなってきたことから、「自分が放流(無断配信)して盛り返してやろうと思った」

フジやTBSの51ドラマも ネット無断配信事件 - MSN産経ニュース

さらに、Shareへのリリースによる大量送信によって、ISPから強制退会処分を受けたこともあったが、ISPの名義を変えるなどしてリリースを続けていたという(asahi.com)。

Shareでの逮捕は、同年5月の逮捕に続き、2例目となった。また、この件で特筆すべきは、京都府警ではなく警視庁による検挙である、ということだろうか。

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2008年5月: Shareで初となる著作権侵害による逮捕、アニメで3名

shareWinMXは2001年11月に、Winnyは2003年11月にそれぞれ初となる逮捕者を出し、権利者サイドからの追求を完全に振り切ることはできないだろうとは思われていたものの、Shareによる逮捕者は未だ出ておらず、なんとなーくシェアならだいじょぶじゃね?的な雰囲気もなきにしもあらずだったダウソ板に激震が走った。2008年4月、ついにShareを利用したファイル共有で逮捕者が出た。

2008年5月9日、Shareを利用し、テレビ放送されたアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』、『機動戦士ガンダムOO』を無断でアップロードできる状態にしたとして、神奈川県の会社員男性A(34)、東京都の会社員男性B(41)、広島県の大学生男性(21)の3人が、著作権法違反(公衆送信権侵害)の容疑で、京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室とそれぞれ五条署、宇治署、田辺署に逮捕された。

いずれの男性も、2ちゃんねるダウンロードソフト板では名の通った職人(トリップ: それぞれYS2、92J、YnXとして知られていた)であり、それぞれ週に20本以上のアニメを、放送後にすぐさまエンコードしリリースしていた。会社員男性A、Bはベテランのアップローダーであり、それぞれ2年、4年のキャリアがあった。なお、逮捕容疑となったアップロードが行われたのは、いずれの男性も同年4月初旬のものとされている。

大学生男性は動機について

他の「Share」ユーザーが喜んでくれることがうれしかったため、テレビアニメーションのアップロードを続けていた

「Share」を使った公衆送信権侵害を初摘発 | 著作権侵害事件 | ACCS

と供述しており、2ちゃんねる等での評判が、こうした活動の原動力となっていたと推測される。

同年7月、各ユーザに対する判決が下され、元会社員男性A(34)には懲役1年6ヶ月、執行猶予3年(求刑1年6ヶ月)(47NEWS/京都新聞)、会社員男性B(41)には懲役1年6ヶ月、執行猶予3年(求刑1年6ヶ月)(47NEWS/京都新聞)、大学生男性(21)には懲役1年6ヶ月、執行猶予3年(求刑1年6ヶ月)(MSN産経ニュース)が言い渡された。

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2008年3月: Winnyユーザ2名が書類送検、アプリケーションのダウンロードで

winny_logo2008年3月24日、福岡県警生活経済課と筑紫野署は、Winnyを利用し、ゼンリンのソフトウェアを無断でアップロードできる状態にしたとして、兵庫県の警察官男性(31)、福岡県の会社員男性(35)を、著作権法違反(公衆送信権侵害)の容疑で、福岡地裁に書類送検した。これまでの事例に加えると4例目。

この事件は、容疑者の1人が警察官だったと言うこともあって、ダウソ板ではそれなりに盛り上がっていたが、それ以外にも、一次放流者ではない二次的なアップローダーがターゲットになったのではないか、ということで話題になっていた。

福岡県警は、警察官男性が「意図的に著作権を侵害するつもりはなかった」(asahi.com)としながらも、「データをダウンロードすれば自動的に不特定多数が入手できる状態になるウィニーの特性」を認識した上でダウンロードしており、著作権法違反(公衆送信権侵害)に当たると判断したという(時事通信)。

しかし同年6月30日、福岡地検は、「(地図情報は)たまたまネットで閲覧できる状況だった」として、男性警察官が故意に流出させた可能性は低いと判断、警察官男性を起訴猶予処分とした(47NEWS)。

なお、この警察官男性には停職1か月の処分が下された。

まぁ、この一件をもって、ダウンローダーもアップローダーと同様の責任を負うのかどうか、という問題の答えが出たというわけでないので、お墨付きを与えられたと勘違いしないように。

もう1点、この事件が興味深い点は、これまでファイル共有における検挙事例は全て京都府警によるものであったが、この件では福岡県警であった。起訴猶予処分には終わったが、各都道府県警でのファイル共有事件への対応は進みつつあることが伺われる。

参考記事

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2008年1月: Winnyウィルス制作者逮捕、アニメ画像の不正使用による著作権侵害で

winny_logo2008年1月24日、Winnyネットワーク上に「CLANNAD−クラナド−」の画像を利用したコンピュータウィルスを不特定多数のインターネットユーザに送信可能な状態にしたとして、大阪府の大学院生男性(24)が、著作権法違反(公衆送信権侵害)の容疑で京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室と五条署に逮捕された。

この大学院男性が、ばらまいていたのは「原田ウィルス」と呼ばれるウィルスの亜種で、デスクトップに画像を表示したり、コンピュータ内のファイルを削除、または画像に置き換えるなどするもの。元々は、原田と名乗る男性の画像を表示させていたのだが、逮捕のきっかけとなった亜種は、クラナドの画像に「まだ懲りずにP2P使って楽しんでるお馬鹿なヲタ野郎はマジ殺すww」という文字を表示させるよう加工されており、実行することでこの画像の表示、データの破壊などを行うものとなっていた。このウィルスのネットワーク上へのリリースに際して、同日逮捕された2名のアニメリリーサーのトリップを騙っていたとされている。

大学院生男性は、警察の調べに「ウィルスを作ったのは僕です。クラナドを使ったのは、話題性があるからです。」と供述し、容疑を認めた。

また、彼はオリジナルの原田ウィルスの制作者であったことから、2月に名誉毀損の容疑で再逮捕されてもいる。オリジナルの原田ウィルスでは、男性の画像が表示されるようになっており、その男性からの訴えであった。

2008年5月16日、京都地裁は名誉毀損および著作権侵害の罪で、懲役2年、執行猶予3年(求刑2年)の有罪判決を下した。

ある意味では、ウィルス作成・頒布罪のない日本で、著作権法をむりくり駆使して有罪まで持って行ったという感もある。その問題点については、こちらの記事を参照されたし。

参考記事

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2008年1月: Winnyで3例目となる逮捕、ダウソ板で有名なアニメ職人2名

winny_logo2008年1月24日、Winnyを利用しサンライズのアニメ『アイドルマスター XENOGLOSSIA』、『機動戦士ガンダムOO』を無断でアップロードできる状態にしたとして、大阪府の会社員男性(39)、兵庫県の無職男性(35)が、著作権法違反(公衆送信権侵害)の容疑で京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室と五条署に逮捕された。

両名とも逮捕当時より容疑を認めており、4年以上にわたり、それぞれ約5,700回、約3,500回に渡り、アニメを違法にリリースし続けていた。彼らは、2ちゃんねるダウンロード板ではよく知られた職人(トリップ)であったようだ。「(利用者に)感謝されたかった」「自分の放流する作品を期待する人がいると思うと、やめられなかった」と供述している背景には、そういった事情があるのだろう。

2008年3月、無職男性に対する初公判が開かれ、彼は「ダウンロードだけしていると、他のウィニー利用者からたたかれる傾向があり、お礼の意味で配信を始めた」と動機を説明した。即日結審し、求刑1年に対し、懲役1年、執行猶予3年の判決が下された。また、会社員男性のケースでも同様に、懲役1年、執行猶予3年の有罪判決が下された。

逮捕当時、ACCSの久保田裕氏はこの事件について

ファイル交換ソフトを悪用したアップロード行為者については、技術的に捕捉する環境もすでに整ったことから、ACCSではこれまでの対策を更に推し進め、捜査機関やプロバイダに対してアップロード行為者のIPアドレスなどの情報を提供するほか、権利行使などのあらゆる手段を講じて、著作権侵害行為の排除に努めていきます。

改めてACCSでは、著作権侵害を行っている確信犯には徹底的に対峙することを宣言し、ファイル交換ソフトを悪用して著作物の違法アップロードを行っている利用者に対しては、直ちに違法行為を中止するよう、強く求めます。

Winnyによる3度目の公衆送信権侵害事件、3人を逮捕 | 著作権侵害事件 | ACCS

とコメントした。また、ACCSはプレスリリースで、2007年5月の逮捕時と同様に、Winnyの利用そのものが『違法な送信行為に「加担」』するものであると警告し、Winnyの利用を止めるよう求めた。

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