winny_logo暴露ウィルスによる情報漏洩事件が社会的な問題として取り上げられてはいたものの、2003年11月のWinnyユーザ逮捕から4年、既にのど元過ぎて熱さを忘れていたWinnyコミュニティに激震が走った。

2007年5月18日、Winnyを利用し「週刊少年ジャンプ」や「週刊少年サンデー」の漫画のスキャン画像を無断でアップロードできる状態にしたとして、東京都の少年(17)、岩手県のアルバイト男性(26)、大阪府の会社員男性(29)の3名が、著作権法違反(公衆送信権侵害)の容疑で京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室と五条署に逮捕された。いずれの容疑者も逮捕直後から、違法性を知りつつ行っていたことを認めている。

ACCSによると、京都府警のサイバーパトロール中に違法アップロード行為が確認され、ACCS、出版社を介して著作権者への意思確認をし、6名の漫画家が代表となって上記3名の著作権侵害について告訴することになったという。

この摘発については、漫画誌の早売りを入手し、アップロードしていたユーザがターゲットにされたとみられている。少年が「早くアップロードすることで優越感に浸りたかった」、アルバイト男性が「 早くアップロードすることで優越感に浸りたかった 」と供述しているところからも、それが伺われる。著作権侵害自体、問題ではあるのだろうが、早売りの違法アップロードは正規購入ルートが存在しない状況でのアップロードであるため、権利者側も特に問題視したものと思われる。

また、会社員男性は 「注目を浴びたかった。また、たくさんダウンロードをさせてもらっていたので、『お返し』にアップロードをした」と供述している。

少年については定かではないが、同年7月、アルバイト男性および会社員男性に対して、懲役1年、執行猶予3年の判決が下された。

この件について、ACCSは

「合法利用」の「目的」の観点からも、現状では、多くの人に自分の作品を知って欲しい場合にはWebページやブログを使う方が合理的な選択であること、しかも、Winnyネットワーク上でファイルを入手するためにはファイル名によって検索しなければならず、著名性の低いファイルが活発にやりとりされる可能性は皆無に近いことから、現在のWinnyが合法利用にも役立つとの主張は、机上の空論と言わざるを得ないのです。 以上の理由から、ACCSは、Winny利用者に対し、Winnyは、そのネットワークに参加した時点で違法な送信行為に「加担」しているということを警告し、Winnyの利用をやめるよう求めます。

ファイル交換ソフト「Winny」を使った公衆送信権侵害事件について | 活動報告 | ACCS

とのコメントを発表した。

参考記事