2011年5月31日、Shareを使用し、ゲームおよびアニメ作品を不特定多数に送信可能な状態にしたとして、愛知県警生活経済課と豊田署は、愛知県のアルバイトの男性(37)を、著作権法違反(公衆送信権侵害)の容疑で逮捕した。
逮捕容疑は、2011年1月13日と14日、自宅のパソコンからShareを使用し、コンピュータソフトウェア倫理機構(以下ソフ倫)会員社が著作権を有するゲームおよびアニメ作品を、権利者に無断で不特定多数に自動送信しうる状態にした疑い。また、同時に無修正のわいせつ画像や動画を公開していたことから、猥褻図画公然陳列の容疑でも逮捕されている。
男性は調べに対し、趣味で収集していたことを認めているという。
ソフ倫のニュースリリースによると、本件は、愛知県警によるサイバーパトロールの際に発覚し、ソフ倫にファイルの照会があったことから、ソフ倫会員社2社による告訴に至ったという。
著作権侵害の対象となったゲームソフトおよびアニメDVDの詳細については明らかにはされていないものの、ソフ倫の会員社が、主にアダルトコンテンツメーカーから構成されていることから推測するに、これらはアダルトゲーム(いわゆるエロゲ)、アダルトアニメであると考えられる。
ソフ倫会員社のゲーム、アニメ作品に対する著作権侵害が刑事事件化したのは、本件が初めてというわけではなく、2010年2月のAVアップロード(Share)、2011年1月の一斉摘発などでも見られている。
なお、このニュースリリースの末尾には以下のような文章が掲載されている。
当機構調査部では、愛知県警からの要請により、アップロードされたファイルに関する真贋鑑定を実施し、全面的な捜査協力を行っております。
ここを読む限りでは、ソフ倫側が積極的に捜査を働きかけたというよりは、愛知県警からの要請に応じて当該ファイルの鑑定を行ったようにも思われる。もちろん、以前から会員社コンテンツの著作権侵害に対する告訴について相談していたために、愛知県警からコンタクトがあった可能性もある。いずれにしても、警察のサイバーパトロール中に発見した著作権侵害を、権利者に報告するというスキームが出来上がりつつあるようだ。