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もうだめぽニュース

P2Pファイル共有に関連した国内検挙事例、裁判を振り返ります。

2010年03月

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2010年3月: Shareで映画を公開した男性、著作権侵害で逮捕

share2010年3月31日、Shareを利用し、映画『アバター』や『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』をShareネットワーク上に公開したとして、京都府警ハイテク犯罪対策室と城陽署は、静岡県の無職の男性(62)を著作権法違反(公衆送信権侵害)の容疑で逮捕した。

逮捕容疑は、2009年12月20日午後4時頃に劇場公開前の映画『アバター』を、2010年3月11日午後11時頃に映画『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』をそれぞれ、Shareを利用し、不特定多数のユーザに公衆送信しうる状態にした疑い。男性は容疑を認め、「4年くらい前からシェアを使っていた。約500作品を流していた」(47News/共同通信)と供述しているという。

この摘発は、昨年12月当時、試験段階にあり、現在は正式に運用されている警視庁の「P2P観測システム」(警視庁プレスリリース)からの情報提供を受けた初の事例である。警視庁によると、このP2P観測システムは、「ファイル共有ネットワークを巡回してファイル情報を収集し、分析・検索を行なうシステム」だという。つまり、ファイル共有ネットワーク上におけるユーザの行動(一次放流など)も観測され、その記録が保存され続け、告訴などを受けて事後的に流通経路等の確認が可能になる。

参考記事

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2010年3月: Shareで児ポを公開した男性を逮捕

share2010年3月3日、Shareを使用し、少年や少女のわいせつな画像4点をShareネットワーク上に公開したとして、京都府警下鴨署は大阪府の開業医の男性(41)を、児童買春・ポルノ禁止法違反とわいせつ図画公然陳列の容疑で逮捕した。

逮捕容疑は、2009年9月23日から2010年2月1日にかけて、

自宅のパソコン上でファイル共有ソフト「Share」で入手した全裸の幼い子供などが写ったわいせつ画像4枚を、同ソフトを使って流出した

とされている。

MSN産経ニュースでは、入手経路もShareであるとされているが、他ニュースサイトでは、配信の事実のみが触れられており、入手経路についての記述はない。また、MSN産経の記述が、キャッシュについてのものであるかどうかは不明。

男性は容疑を認めており、「アダルト画像の収集のため5年ほど前からシェアを使っていた」(京都新聞)と供述しているという。

参考ニュースサイト

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2010年3月: eMuleで児童ポルノを共有していた男性3名が逮捕、うち1名は不起訴処分に

emule2010年3月3日、eMuleを使用し、児童のわいせつな動画をインターネット上に公開したとして、静岡県警少年課などは、岡山県のブラジル国籍の派遣社員男性(38)、大阪府の会社員の男性(27)を児童ポルノ禁止法違反(公然陳列目的所持)の容疑で、また、大阪府の無職の男性(35)をわいせつ図画公然陳列の容疑で現行犯逮捕した。

児童ポルノ法違反の容疑で逮捕された2名の男性は、同日eMuleがインストールされたPCに女児のわいせつな動画ファイルを保存していたという。また、わいせつ図画公然陳列の容疑で逮捕された男性は、同動画ファイルをeMuleを使用して公開していた、とされた。

静岡県警が2009年7月より実施しているファイル共有ソフトを使用したサイバーパトロールが、この摘発の端緒となり、容疑者の身元特定に繋がった。

2010年3月27日、わいせつ図画公然陳列の容疑で逮捕された大阪府の無職の男性について、静岡地検は23日付で不起訴処分とした。その理由について、同地検は明らかにはしていないという。

おそらく、この男性に対しても児童ポルノ禁止法違反(公然陳列目的所持)の容疑で現行犯逮捕したかったのだろうが、踏み込んだ際、男性のハードディスク内に保存されてはいなかったのだろう。そのため、その他のファイルからわいせつ図画公然陳列の容疑で逮捕してはみたものの、本命の児ポ法違反で起訴できるほどの証拠を固めることができず、不起訴にいたったのではないだろうか。他の2名の男性の場合には、ハードディスク内に児童ポルノファイルが確認できたために、逮捕に至ったのだと思われる。

参考ニュースサイト

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