Shareで初となる逮捕者を出してから4ヶ月、ついにShareでも…という興奮が冷めたのか余韻程度には残っていたのかはわからないが、相変わらずせっせとファイル共有にいそしんでいたダウソ板に再び動揺が走った。
2008年9月18日、Winnyを利用し、国内未公開の米Universal City Studiosの映画『ウォンテッド』などを無断でアップロードできる状態にしたとして、宮城県の無職男性(33)が著作権法違反(公衆送信権侵害)の容疑で、京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室と城陽署に逮捕された。この男性は、単に映画をリリースしていただけではなく、自ら映画に字幕を加え、リリースする字幕職人であった。
この事件は、海外での公開時期と、日本での公開時期とのズレを背景としている。日本での劇場公開を前に、海外の劇場で盗撮されたものや、既に海外でDVDとしてリリースされたものがインターネット上に流通することは珍しくなく、そうしたデータを入手し、独自に字幕をつけるという活動はファイル共有界隈では古くから行われていた。そうした活動を行う人物は字幕職人と呼ばれ、この無職男性もその一人であった。それも、非常に人気の高い字幕職人『tikal』として、よく知られた存在でもあった。
逮捕当時から、過去2年間にさかのぼって、彼が作成した字幕を元にリリースされた映画は26本に上るとされており、多くの作品が劇場公開前にリリースされていた。
同年12月、京都地裁は男性に対し、懲役2年、執行猶予3年(求刑2年)の有罪判決を言い渡した。
映画の違法共有による逮捕者は、2003年11月、Winnyでの初の逮捕に続く2例目、また、字幕職人としては初の例となった。
参考記事